Why UPDATER? // 自分の軸を貫いて生み出したタンザニアでの事業開発
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UPDATERには、自らの野望をプロジェクトとして提案し、タンザニアで海外事業を展開する新卒社員がいます。今回は、2020年の新卒入社で、電力を起点にしたタンザニアの経済発展に熱い想いを持つ「Pole Solar(ポレソーラー)」事業責任者の宇野 雄登さんにお話を伺いました。
ーどうしてUPDATERに入社されたのでしょうか?
小学生の時、太陽光発電で走るラジコンを扱う授業がありました。身近なおもちゃが太陽の光だけで動くことにワクワクして「これ、めちゃめちゃすごいんじゃないか!?」と興味を持ちました。
その後、太陽光発電について勉強したり、太陽光発電事業者でアルバイトもしました。そこで出会ったのが「みんな電力」、現在のUPDATERです。
自分がワクワクできる仕事で、楽しく成長できる環境を探していたので、若いうちから様々なことに挑戦でき、電気の生産者一人ひとりのストーリーを大切にしながら、消費者の行動変容を促すビジョンを持つUPDATERに魅力を感じ、就職を決めました。
ー入社後は、どんなお仕事をされていたんですか?
入社して最初の1年半は、電気の購入先である発電事業者への営業を担当しました。当時は、ありがたいことに発電事業者様が増加していた一方で、発電所の魅力やそのストーリーを電力ユーザーの皆様に伝えられていないという課題がありました。そこで、先輩社員とともに『発電人(はつでんちゅ)総選挙』や『オンライン発電所ツアー』を企画しました。
その後は、農業と太陽光発電を両立するソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)発電所の開発も兼務で担当しました。元々、太陽光発電のために無理な開発が行われたり、地域還元が薄い事例があることを残念に思っていたんです。
ソーラーシェアリングは、自然と地域が調和した形で再生可能エネルギーを作っていける希望だと思いましたね。実際に現場で農業を持続しながら、収入も安定していく様子も見たので「これは、広めなきゃな」とやりがいを感じました。
大学3年生の時にある企業のインターンでタンザニアとかかわる機会がありました。電気が通っていない村や集落に、太陽光で発電した電気を使って光るランタンを提供する仕事です。電気があることで、子どもたちが夜に勉強ができたり、携帯を充電できるようになる様子を見ました。
そこで出会ったタンザニアの人たちの人柄や国民性が魅力的で、電力の供給を通じて一緒に成長していきたいと思うようになったんです。ですから、就職して3年がたったら退職してタンザニアのことをやろうと決めていました。区切りがないと動かないだろうと思い、面接でも話していたんです。
3年まであと1年となって、上司に改めて相談しました。そうしたら「社内で一回提案してみたら?おもしろがってくれると思うし、会社のリソースを活用できるかも知れないよ」とアドバイスをくれたんです。だったら一度ぶつけてみようと思って、役員に提案しました。
さすがにいきなり事業化とはいきませんでしたが、すごく前向きなフィードバックをもらえたので、承認がもらえるまでブラッシュアップを重ねて提案し続けることにしたんです。上司や周りの方がすごく手厚くサポートしてくださって、おかげでなんとか事業化までたどり着くことができました。
ー「Pole Solar」はどんな事業ですか?
現在は農村部のトウモロコシ製粉所に太陽光パネルを設置し、電力を供給する実証実験を行っています。トウモロコシは加工することで、その卸値が約2倍に上昇します。安定した電力供給により製粉機を連続稼働させることができれば、農家の収入増加が期待できるんです。実証実験中ですが、20km以上離れた地域からトウモロコシを持ち込む人もいて、事業の重要性を実感しています。
最初は都市部で事業を行うことを考えていました。農村部とコネクションもないですし、お客様を見つけたところで信頼できるかもわからない、問題が山積みだったので少しでもリスクをさげて都市部でと思っていたんです。
ところが都市部での営業を進めると、現在の電気代をいかに削減するかというニーズが強く「太陽光発電で新しい価値や、仕事、産業を創造する」という私たちの軸とマッチングしませんでした。その時に出会ったのが実証実験のパートナーであるジョフリーです。
タンザニアではダブルワークやトリプルワークをしている方も多いのですが、彼もその一人でした。都市部で働きながら田舎で農業関係の事業をやっていて、話してみたらパッションも実現したいビジョンも私たちの軸とピッタリはまったんです。
ーどういうビジョンをお持ちだったんですか?
ジョフリーは祖父母の代から農業をやっていて、農家がどんなに良質なものを作っても評価されないことに課題感をもっていました。タンザニアは農家の数も多いし、国土も広く、農業のポテンシャルが高いんです。
にもかかわらず、農業が過小評価されていると感じているようでした。都市部で農産物を売れるようにしたい、農家が適切な収入を得られ、認められるようにしたいと熱く語ってくれて「まさにそれなんだよ!」と思いました。
もともと根底にはタンザニアの農村部を電力で活性化できたら、すごく成長するんじゃないかという想いがありました。でも事業を始めるときに、及び腰になっちゃったんですよね。
あらためてジョフリーと出会って農村部でやりたいと思いました。上司も「本当にやりたいことを追求すべき」と何度も声をかけてくれていたので、どっちでやっても大変なら本当に自分のやりたいことをやろうと思いました。
ここまでこれたのは、言ってしまえば運であり偶然です。計画しただけじゃ起こりえないことでした。そういう意味では良い計画はあるに越したことはないけれど、計画が100パーセントじゃなくて動いてみること、とにかく一歩ずつ進んでいくことが、特に新規事業には必要だと感じました。
ー「Pole Solar」のこれからの野望を教えてください。
実証実験を始めたトウモロコシ製粉所では、都市部の学校と長期契約を結ぶことができました。現在、製粉したトウモロコシが給食として利用されています。電力を起点にして彼らが自立して成長していく、今回の事例はそのきっかけになったと思っています。
今後、多くの学校や地域に製粉済みのトウモロコシを供給するためには、原材料の安定供給が必要になります。ですから、NPO法人やJICA (国際協力機構)と連携し、生産量の向上や収穫量の安定化もサポートしたいと思っています。食と経済の上流にいる農家からみんなが成長できて、みんなが幸福になる社会を実現したい。
また、事業をアフリカの他の国々にも広げていきたいと考えています。計画段階からウガンダやマラウィ、モザンビークなど、似た課題を持つ国の方から「ぜひ私たちの国でも始めてほしい」とお声がけをいただきました。実は、さかのぼると学生時代からこのような事業が絶対に必要だという感覚があったんです。
アフリカには電気を未だに使えない人が6億人もいて、インフラが整っていないのは明らかです。ところが事業やサービスレベルでは、大規模な発電所の建設か個人のスマートフォン充電程度の電力供給サービスしかない。両極端すぎるんですよね。
もちろんこれらは必要なことなんですけど、それで貧困の連鎖を脱却していけるか、成長していけるかということに疑問をもっていました。やるべきことは彼らが作物を加工したり、保存して輸送したりして稼ぐ力をつけていくことだと思います。そこに取り組む企業が少ないことがすごく違和感でした。
「Pole Solar」は、整備されたインフラを背景に産業が育成され、成長していくことを目指しています。このサービスをタンザニアだけでなく他国にも拡大し、現地の人々が挑戦し、夢を追求できるようにしたいですね。この事業を通じて、地域が望むように発展できる社会を築くことが私の野望です。
ー自分の軸を固め、それを曲げずに貫いてきたことが、頭の中にしかなかった野望を実際にタンザニアの人々の役に立つビジネスに昇華できたのだと感じました。胸に秘めた熱意で国境を超え多くの人を動かす姿は、輝いて見えますね。UPDATERは常に挑戦を歓迎しています。野望をUPDATERというフィールドで実現したい方のジョインをお待ちしています!
◆Pole Solar(ポレソーラー)について
・プレスリリース
https://www.updater.co.jp/news/pressrelease/20231127
・ブログ:新規事業創出をめざす!タンザニア出張レポート!
https://www.updater.co.jp/blog/staff/20230224
太陽光発電に魅せられた若手社員の挑戦
ーどうしてUPDATERに入社されたのでしょうか?
小学生の時、太陽光発電で走るラジコンを扱う授業がありました。身近なおもちゃが太陽の光だけで動くことにワクワクして「これ、めちゃめちゃすごいんじゃないか!?」と興味を持ちました。
その後、太陽光発電について勉強したり、太陽光発電事業者でアルバイトもしました。そこで出会ったのが「みんな電力」、現在のUPDATERです。
自分がワクワクできる仕事で、楽しく成長できる環境を探していたので、若いうちから様々なことに挑戦でき、電気の生産者一人ひとりのストーリーを大切にしながら、消費者の行動変容を促すビジョンを持つUPDATERに魅力を感じ、就職を決めました。
ー入社後は、どんなお仕事をされていたんですか?
入社して最初の1年半は、電気の購入先である発電事業者への営業を担当しました。当時は、ありがたいことに発電事業者様が増加していた一方で、発電所の魅力やそのストーリーを電力ユーザーの皆様に伝えられていないという課題がありました。そこで、先輩社員とともに『発電人(はつでんちゅ)総選挙』や『オンライン発電所ツアー』を企画しました。
新卒の頃は人を巻き込んでプロジェクトを進めるのが苦手で、特に発電人総選挙ではWEBデザイナーや広報の方にご迷惑をおかけしました。計画の進め方や事前の調整不足が原因で、厳しいご意見をいただいたこともあります。プロジェクト進行については本当に勉強でしたね。
その後は、農業と太陽光発電を両立するソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)発電所の開発も兼務で担当しました。元々、太陽光発電のために無理な開発が行われたり、地域還元が薄い事例があることを残念に思っていたんです。
ソーラーシェアリングは、自然と地域が調和した形で再生可能エネルギーを作っていける希望だと思いましたね。実際に現場で農業を持続しながら、収入も安定していく様子も見たので「これは、広めなきゃな」とやりがいを感じました。
ーそんな充実していたころに、タンザニアの事業「Pole Solar(ポレソーラー)」を提案された。
大学3年生の時にある企業のインターンでタンザニアとかかわる機会がありました。電気が通っていない村や集落に、太陽光で発電した電気を使って光るランタンを提供する仕事です。電気があることで、子どもたちが夜に勉強ができたり、携帯を充電できるようになる様子を見ました。
そこで出会ったタンザニアの人たちの人柄や国民性が魅力的で、電力の供給を通じて一緒に成長していきたいと思うようになったんです。ですから、就職して3年がたったら退職してタンザニアのことをやろうと決めていました。区切りがないと動かないだろうと思い、面接でも話していたんです。
3年まであと1年となって、上司に改めて相談しました。そうしたら「社内で一回提案してみたら?おもしろがってくれると思うし、会社のリソースを活用できるかも知れないよ」とアドバイスをくれたんです。だったら一度ぶつけてみようと思って、役員に提案しました。
さすがにいきなり事業化とはいきませんでしたが、すごく前向きなフィードバックをもらえたので、承認がもらえるまでブラッシュアップを重ねて提案し続けることにしたんです。上司や周りの方がすごく手厚くサポートしてくださって、おかげでなんとか事業化までたどり着くことができました。
軸を曲げずに行動し続けたことでたどり着いた実証実験
ー「Pole Solar」はどんな事業ですか?
タンザニアは電力が安定しておらず、特に農村部では電気が供給されていない地域もあります。そうした地域に太陽光発電で電力を提供することで、地元の人々が新たな価値を生み出し、仕事や産業を創出できるようにするのが「Pole Solar」事業の目的です。
現在は農村部のトウモロコシ製粉所に太陽光パネルを設置し、電力を供給する実証実験を行っています。トウモロコシは加工することで、その卸値が約2倍に上昇します。安定した電力供給により製粉機を連続稼働させることができれば、農家の収入増加が期待できるんです。実証実験中ですが、20km以上離れた地域からトウモロコシを持ち込む人もいて、事業の重要性を実感しています。
ー実証実験までどのように漕ぎつけたのですか?
最初は都市部で事業を行うことを考えていました。農村部とコネクションもないですし、お客様を見つけたところで信頼できるかもわからない、問題が山積みだったので少しでもリスクをさげて都市部でと思っていたんです。
ところが都市部での営業を進めると、現在の電気代をいかに削減するかというニーズが強く「太陽光発電で新しい価値や、仕事、産業を創造する」という私たちの軸とマッチングしませんでした。その時に出会ったのが実証実験のパートナーであるジョフリーです。
タンザニアではダブルワークやトリプルワークをしている方も多いのですが、彼もその一人でした。都市部で働きながら田舎で農業関係の事業をやっていて、話してみたらパッションも実現したいビジョンも私たちの軸とピッタリはまったんです。
ーどういうビジョンをお持ちだったんですか?
ジョフリーは祖父母の代から農業をやっていて、農家がどんなに良質なものを作っても評価されないことに課題感をもっていました。タンザニアは農家の数も多いし、国土も広く、農業のポテンシャルが高いんです。
にもかかわらず、農業が過小評価されていると感じているようでした。都市部で農産物を売れるようにしたい、農家が適切な収入を得られ、認められるようにしたいと熱く語ってくれて「まさにそれなんだよ!」と思いました。
もともと根底にはタンザニアの農村部を電力で活性化できたら、すごく成長するんじゃないかという想いがありました。でも事業を始めるときに、及び腰になっちゃったんですよね。
あらためてジョフリーと出会って農村部でやりたいと思いました。上司も「本当にやりたいことを追求すべき」と何度も声をかけてくれていたので、どっちでやっても大変なら本当に自分のやりたいことをやろうと思いました。
ーまず、やってみるということですね。
どれだけ緻密に計画を立ててもその通りにはいきません。頭ではわかっているつもりだったんですけど、進める中で気がついたり、できるようになったことが本当にたくさんありました。とりあえず現地に行ってみたことでジョフリーと出会えたのもそうですよね。
ここまでこれたのは、言ってしまえば運であり偶然です。計画しただけじゃ起こりえないことでした。そういう意味では良い計画はあるに越したことはないけれど、計画が100パーセントじゃなくて動いてみること、とにかく一歩ずつ進んでいくことが、特に新規事業には必要だと感じました。
”広めたくて仕方がない”夢が広がるタンザニアの向こう側
ー「Pole Solar」のこれからの野望を教えてください。
実証実験を始めたトウモロコシ製粉所では、都市部の学校と長期契約を結ぶことができました。現在、製粉したトウモロコシが給食として利用されています。電力を起点にして彼らが自立して成長していく、今回の事例はそのきっかけになったと思っています。
今後、多くの学校や地域に製粉済みのトウモロコシを供給するためには、原材料の安定供給が必要になります。ですから、NPO法人やJICA (国際協力機構)と連携し、生産量の向上や収穫量の安定化もサポートしたいと思っています。食と経済の上流にいる農家からみんなが成長できて、みんなが幸福になる社会を実現したい。
また、事業をアフリカの他の国々にも広げていきたいと考えています。計画段階からウガンダやマラウィ、モザンビークなど、似た課題を持つ国の方から「ぜひ私たちの国でも始めてほしい」とお声がけをいただきました。実は、さかのぼると学生時代からこのような事業が絶対に必要だという感覚があったんです。
アフリカには電気を未だに使えない人が6億人もいて、インフラが整っていないのは明らかです。ところが事業やサービスレベルでは、大規模な発電所の建設か個人のスマートフォン充電程度の電力供給サービスしかない。両極端すぎるんですよね。
もちろんこれらは必要なことなんですけど、それで貧困の連鎖を脱却していけるか、成長していけるかということに疑問をもっていました。やるべきことは彼らが作物を加工したり、保存して輸送したりして稼ぐ力をつけていくことだと思います。そこに取り組む企業が少ないことがすごく違和感でした。
「Pole Solar」は、整備されたインフラを背景に産業が育成され、成長していくことを目指しています。このサービスをタンザニアだけでなく他国にも拡大し、現地の人々が挑戦し、夢を追求できるようにしたいですね。この事業を通じて、地域が望むように発展できる社会を築くことが私の野望です。
ー自分の軸を固め、それを曲げずに貫いてきたことが、頭の中にしかなかった野望を実際にタンザニアの人々の役に立つビジネスに昇華できたのだと感じました。胸に秘めた熱意で国境を超え多くの人を動かす姿は、輝いて見えますね。UPDATERは常に挑戦を歓迎しています。野望をUPDATERというフィールドで実現したい方のジョインをお待ちしています!
◆Pole Solar(ポレソーラー)について
・プレスリリース
https://www.updater.co.jp/news/pressrelease/20231127
・ブログ:新規事業創出をめざす!タンザニア出張レポート!
https://www.updater.co.jp/blog/staff/20230224
WRITER
共創・コミュニケーション部
豊島翔
新卒で入社した観光施設で広報に配属される。それ以来、広報の魅力に取り憑かれいくつかの業界で広報を担当。広報の持つ社会変容の機能を生かして、世界を今より良い方向へ変えていきたいという想いで2024年4月よりUPDATERにジョイン。常に動いていないと死んでしまうタイプ。