秋のめぐみは「野菜」だけじゃなかった!ソーラーシェアリングの収穫体験で知ったこと
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「一粒で二度美味しい」発電所!?
2023年11月4日(土)、関東地方は最高気温が25度以上と、秋晴れというより夏日の一日となりました。そんななか私は、神奈川県厚木市の「あつぎ市民発電所」の収穫イベントに参加しました。
あつぎ市民発電所は、太陽光パネルの下に農園が広がる「ソーラーシェアリング」という形の発電所で、農園を管理している落合清春さんをはじめ、市民が出資して建設されました。
電気と農作物、ふたつの収穫ができることから「一粒で二度美味しい」と言われる「ソーラーシェアリング」。果たして本当に美味しいのか?収穫に参加し、確かめてきました!
里芋、ショウガ、サツマイモ、落花生、ヤーコン、どんどん収穫!
みんな電力(UPDATER)からは、社員4名とその子ども2名が参加し、総勢15名ほどで額に汗して、お日様と大地の恵みを掘り出す作業に励みました。
収穫したのは、里芋、ショウガ、サツマイモ、落花生、そしてちょっと珍しいヤーコン。
ショウガを掘り始めると、その土の絶妙な湿り具合と柔らかさに感嘆の声が漏れました。少ししっとり、色は黒々として、ふんわりと柔らかい土。野菜がよく育ちそうです。
次は里芋。土を手で少し掘ると、丸々とした里芋が5~6個、固まって現れ、葉っぱの根元を引っこ抜くように収穫します。
サツマイモも同様で、土を少し掘ると色鮮やかな紅色が顔を出します。これが黒い土の中でよく映える!表面に傷を付けると早く痛んでしまうということで、みんなでゆっくり丁寧に掘り出していきました。
ヤーコンは、茎を持ってメリメリっと切り引き抜くと、こんな感じで現れます。
ちなみに農園内は、セミの抜け殻やカマキリの卵があったり、カミキリムシがいたりして、子どもたちはそちらにも夢中でした。
太陽光パネルの角度を変えて、野菜の生育状況を計測!
あつぎ市民発電所 理事長の遠藤さんは、この発電所は太陽光パネルを調整して、畑に届く太陽光の量(遮光率)を3種類に分けていると教えてくださいました。発電所の運用開始から3年半が経過し、色々とわかってきたそうです。
例えば里芋は、遮光率が高い、つまり畑に届く太陽光の量が少ないほうが、地面・地中の湿度が高くなり、収穫量が増大する。一方で落花生やヤーコンは、遮光率が40%以上になると、実の付き具合に悪影響が出始めるそうです。
ピタリ賞をねらえ!
イベントの最後は、収穫した農作物を好きな分だけ購入できるマルシェ。
それぞれのチョイスでサツマイモや里芋を秤に載せて、揺れるメモリの針を見ながら「あー、ちょっとオーバー!」「オマケしてあげるよ!」など、買う側・売る側でプチ交渉を楽しみました。
また今回のマルシェでは、近隣の農業者の方が育てた「訳アリ玉ねぎ」も販売いただきました。
実は、日本で生産される野菜は、色やサイズ・形がほんの少しでも規格外というだけで、流通にのせることができず廃棄処分となるものがあります。もちろん味に遜色はありません。落合さんはこの玉ねぎをレスキューして、独自に売られています。
農業者の方は、野菜を規格内におさめるために労力をかけ、規格外の野菜を廃棄せざるを得ないという課題があることを知り、私たちは野菜の買い方を見直す必要があると感じるお話でした。
いざ、実食!!
わが家では、里芋は早速味噌汁に入れてホクホクを、サツマイモは数日寝かせて熟成させてから新米のお米と一緒に炊いて、それぞれ美味しく頂きました。
梨のような触感で生でも食べられるヤーコンは、千切りにしてドレッシングを掛けてそのまま、そしてきんぴらにして、と二つの味で楽しみました。こちらも旨い!
終わりに
初めて参加したソーラーシェアリングの収穫体験でしたが、ソーラーシェアリングは「一粒で二度どころか、三度四度と美味しい」、素敵な取り組みであることを身をもって実感しました。
お日様と大地の恵みをしっかり体に取り込んで、この秋冬もしっかり乗り切り、ホクホクした笑顔の輪を広めていきたいなと思います!
WRITER
SX事業開発本部
上村康裕
大学新卒時、「地球上のバランスある発展に貢献したい」との思いで開発途上国支援(ODA)の仕事に就く。スリランカ駐在などを経て地球環境問題の改善・解消にはエネルギーを創るところからグリーンにする必要がある、と再生可能エネルギーの会社へ転職。
約10年間、日本国内の太陽光発電所の建設、保守・運営(O&M)業務に従事した後、「顔の見える再エネ電気を志あるユーザーに届けたい」と2023年10月にUPDATERに参画。プライベートでは小学生の息子とサッカーに夢中。