オフィスを飛びだし、森へいこう

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皆さん、こんにちは。新入社員の上杉です。
UPDATERスタッフ18名は、6月20日から一泊二日で恒例行事である、みらいの森を整備してまいりました!

なぜ森へいくの?


UPDATERでは毎年、NPO法人エコラ倶楽部、株式会社KURIMOKUの皆さまと、力を合わせて森林整備を行っています。

この森林整備は、美しい地球を未来に繋げていくことを目的として日本国内の森林保全・育成を行う「みらいの森プロジェクト」の一環です。

本プロジェクトは、2019年に杉の苗を植えることから始まり、今年で6年目を迎えました。
豪雨や森林伐採により山が痩せ、土砂崩れが起こりやすくなっている。CSR活動で企業が植林した木が放置され、かえって山が荒れている。こういった課題が日本の森林に存在します。
そのため、木は植えて終わりではなく、継続的に草を刈ることや、適切な間伐など森林整備が必要です。

私たちにできるのは、森について学びながらもう一度、豊かな森を作ること、自然に感謝し愛情をもって森を整備することです。

毎年、整備をしている「みらいの森」(宮城県栗原市栗駒)は、「未来につながるように」という願いをこめて名づけられました。

このみらいの森の整備には、『みんな電力エポスプラン』をご利用の皆さまからの寄付金が使われています。今回は、寄付金で刈払機を購入できました!

エコラ倶楽部大井さま(中央)と寄付金によって購入した刈払機


作業の様子


1日目は山の中での作業でした。植樹したスギに節ができないように枝を切る「枝打ち」、スギの日光を遮っている広葉樹の伐採、周辺の雑草とりなどを行いました。

枝打ちに励む、初参加のUPDATERスタッフ。木の節をそのままにしておくと、木材にしたときに点のような模様ができてしまい売れにくいそうです


1日目の作業終わり。休憩を挟んで2時間半ほどの作業でしたが、みんなへとへとでした



2日目は、比較的平たい場所にて刈払機とカマを使い、スギ周りの雑草取りをしました。木こりの方に刈払機の使い方をレクチャーしていただきました。


作業した2日間とも30度超えの快晴。
こんなに汗だくになったのは社会人になって初めてでした!
休憩中、KURIMOKUさまの用意してくださった冷たい麦茶が染みわたりました!

新卒3人の感想


UPDATERには、みらいの森整備を新卒社員が計画・引率する伝統があります。

今年の新卒社員は私を含めて3人。UPDATERに入ったきっかけや考えもバラバラです。そこで森林整備後に初めて参加した3人の感想をシェアすることにしました。

左から、上杉(うえす)、野本(野本くん)、沖山(おっきー)



うえす:2人とも森林整備はどうでした?

野本くん思ったよりも山だったね。人工林と聞いていたからもっと整備されているのかと思ったけど、道がほぼなくて歩くのが大変だったな。

おっきー山ってhubだなと思った!山がhubになってUPDATERとエコラ倶楽部さまとKURIMOKUさまをつないでくれているんだよね!UPDATERも山のようなhubになれるといいな。

うえす:たしかに、一緒に汗を流すっていうのは、山というコミュニティがあるからこそできることだよね。暑い中山の斜面で木を切るのは大変だったけど...!でも普段やらない屋外での仕事だったから、その後のごはんがすごく美味しいし、温泉が気持ち良かったね。

作業後に食べた、宮城県栗駒市の食材を贅沢につかった「栗駒山麓のめぐみ・迫野御膳」



うえす:あと、植林中のスギは間違って切らないようにと気を張っていたからか、自然とスギが一目で見分けられるようになったのは、嬉しいかな!

植林されて間もない高さ30cmほどのスギ。間違って切られないように目印がついている



野本くん:スギに絡みついたツタを取っていたんだけど、力強く跡が残っている木もあったのにはびっくりした!全部のツタを取りたかったけど、食い込みすぎて取れなかったから経過が気になるな。


ツタが絡みついたスギ。ツタを放置しているとスギが枯れてしまう



おっきー:自分がやっていたスギの枝打ちはチェーンソーと比べて地味だなと思っていたけど、チェーンソーで刈った木を上に運ぶときに、枝打ちが済んでいたおかげで引っかからずにスムーズに運べた!元々枝打ちは、木材に節ができないようにする目的だけど、地味な仕事でも間接的に誰かの役に立っているんだなと感じたよ。

チェーンソーで切った木を上に運ぶおっきー(左)


日本の木材のお話


二日目の作業を終えた後、KURIMOKUさまがくんえん処理から製材加工まで一貫して行う工場を見学しました。
案内してくださったのは、KURIMOKUの千葉さん。

乾燥中の木材の横で説明をされる千葉さん



市場には、高温で乾かすことにより繊維が破壊されてしまい、「木」本来の良さが失われてしまっている木材も多く出回ってるそうです。KURIMOKUさまでは、低い温度でじっくり乾かすことで木の良さを生かした木材をつくっています。

また、木材に使われる薬剤などによりアレルギーを発症する方もいるため、防カビ剤の代わりに木酢液*に浸すことで、天然由来の防虫効果を持たせた製品もつくっているとのことでした。

*木酢液(もくさくえき)は、木材や竹を炭にする際に発生する煙を冷却して得られる液体です。この液体には、防虫効果や消臭効果などがあります。

家を建てたり家具を選ぶ際に、木の種類にこだわる人はいても、木の生産過程は気にしない人がほとんどかなと思います。

普段使っている数千円の机に不自由はないけど、人に贈ったり、長く使いたいときには環境と人に配慮されている木材にしたいなぁと思いました。

フローリングや壁に使われる廃材に興味津々なUPDATERスタッフたち



国産の木材を買うことは、森を守ることに繋がります。
以下の写真の丸太、直径24cm、長さ4mほどですが、
一本何円で取引されると思いますか?

KURIMOKUさまが植樹から伐採まで行ったスギの丸太。



UPDATERスタッフたちの「3万円!」「5万円!」という予想とは裏腹に、正解はなんと3千円。

立派な木材に育てるには、数十年にわたり枝打ちや間伐作業を必要とし、切って運ぶのも一苦労。節が多かったり、太すぎると値打ちが下がってしまうそうです。

丸太価格が低いことで、一所懸命森林整備をして育て、切って売っても山に還元できないのです。

「日本の健康な森を保つためには、国産の紙を使ってください!」と千葉さんはおっしゃります。いまでは国産の木材を原料とするノートや衣服まで多様な商品があるため、それらを買うことが日本の木材の低価格化を止め、作り手の収入に貢献する方法だと思います。

UPDATERの運営する、顔の見えるライフスタイルを提案するサービス「TADORi」のオンラインストアからも、KURIMOKUさまの木材をつかった製品を購入できます。

「日本の山と暮らしをつなげる」環と環


みんなリビング 森になる猫砂(クラフト)


おわりに


生まれて初めて森林整備をしてみて、森は広く、作業に終わりがないことから森の管理は大変だと実感しました。

日本の森は人工林が多いため、適切な伐採が必要です。そこから間伐される国産木材を生かしたものづくりが増えたらいいなと思います。

新卒社員以外のスタッフも、森林整備の経験やエコラ倶楽部さま、KURIMOKUさまのお話からインスピレーションを受けたようで、今後の広がりが楽しみです!
WRITER
上杉沙樹
上杉沙樹

高校時のドイツ留学にてファストファッションにおける人権問題の深刻さを知る。
誰かに犠牲を強いることなく、幸せになる方法を考えつづけ「エシカル消費」に出会う。「この考えを広めたい!」と2024年4月UPDATERへ入社。